ドラクエ5の世界を現代の物価にして、妻選びを考えてみた

ドラクエ史上、最大の選択を、現代の物価から見直してみる

ドラクエシリーズの中でも、トップクラスの人気を誇るのがドラクエ5です。

ドラクエ5の特徴としては、主人公を中心に、パーティメンバーが世代交代していく点です。

父パパスと2人で旅を始めて、最後は双子の子どもたちと最終決戦を戦います。

あと、何といっても、ドラクエ5と言えば、双子の子どもの母親となる、主人公の妻を選ぶイベントの存在です。

幼馴染みのビアンカを選ぶのか、富豪の娘のフローラを選ぶのか、DS版にだけでてくるフローラの姉のデボラを選ぶのか、この世界における人生の選択に迫られます。

もう一つの特徴は、主人公は勇者でもなく、勇者の血すら引いていない点です。

今回は、この人生の選択を含めて、その他もろもろを、現代の物価を通して見てみたいと思います。

あくまでお遊びの範疇なので、細かい点の不備はご容赦ください(笑)

物価の基準は、1G=500円

ドラクエ5は、ドラクエ4の未来の世界となっており、世界地図は大きく違いますが、世界観としては同じものとなっております。

前作から数百年という時間を経ていますが、スタート時で一番近い妖精の村の宿屋の値段も1泊4G=2,000円と大きな変化はありません。

宿屋の価格からみると、基本的な物価の変動は小さいようです。

バトランド城4G2,000円
妖精の村(DQ5)4G2,000円

 

しかし、治安の悪化の影響か、庶民的な武器類は値上がり傾向にあり、こんぼうは2倍に、銅のつるぎは2.7倍となっています。

武器高騰の影響で、「竹のやり」という武器とも呼べぬ代物までが、1本50G=25,000円で売りに出されるようになったようです。

竹を切り出しただけの商品にしては、破格の値段がつけられています。

前作でトルネコが世界を救った武器商人となった事で、トルネコ主導の武器カルテルによって過激な競争を排除する体制が生まれ、それが数百年に及んで価格統制を続けている悪影響が出ているのかもしれません。

各城や町には、武器屋が一軒づつしかないのが、自由競争の無さを表しています。

竹のやり50G25,000円
こんぼう(DQ4)30G15,000円
こんぼう(DQ5)60G30,000円
銅のつるぎ(DQ4)100G50,000円
銅のつるぎ(DQ5)270G135,000円

 

布の高騰が生み出した斬新な新商品

ドラクエ5の世界では、武器と同様に、庶民的な防具の価格高騰が激しくなっています。

庶民の味方であるはずの「布の服」は、セットアップで1着30G=15,000円と、数百年前から3倍にまで値上がりしており、ファストファッションの価格帯ではなくなっています。

布の服(DQ4)10G5,000円
布の服(DQ5)30G15,000円

 

着古した「奴隷の服」のような物でさえも、1着10G=5,000円で買い取りされるほどです。

なので、肩から羽織るだえの「ただの布切れ」が、1枚25G=12,500円で販売されています。

一切、裁縫をしないことで、5G=2,500円のコストダウンを図った斬新な商品です。それでも、微々たる値下げ努力です。

こうしてみると奴隷制度のある世界なだけに、裁縫などにおける人件費の安さが顕著です。

奴隷の服(買取価格)10G5,000円
ただの布切れ25G12,500円

 

ルドマン家の財力と妻選び

父パパスはグランバニアの王位を捨てて、主人公を連れて旅に出ていたことで、パパスの弟のオジロンが代王となって国を治めていました。

しかし、パパスが亡くなった事で、主人公が王位継承権第1位となりました。

現実世界であれば、いくらオジロンが誠実な人物で、主人公に王位を譲ろうとしても、これまで権力の座にいた家臣たちが、素直に認めることは考えられません。

このような場合に重要となるのが、妻や母の実家の権力や財力です。実際に、外戚の武力や財力で王位を奪取した例があります。

妻の第一候補ビアンカは、幼馴染みですが、実家に力がないのが弱点です。ただ、平時であれば、外戚の力が強いのは好まれないので、強みになるのがポイントです。

 強み弱み
ビアンカ幼馴染み実家の財力
フローラ実家の財力お見合い
デボア(DS版のみ)実家の財力お見合い

 

富豪のルドマンの娘である妹のフローラと姉のデボラの場合、実家からの惜しみない援助が強みとなります。

その援助の合計は、総額41,800G以上=2千万円以上と、かなりの金額になります。

人数が多い冒険の旅には、装備をそろえるためにも、お金は重要です。

フローラを選べば、民家の壺やタンスから小銭を漁って、現地調達する必要も減ります。

お金2,000G1,000,000円
水のはごろも14,800G7,400,000円
神秘のよろい20,000G10,000,000円
お金5,000G2,500,000円
合計41,800G20,900,000円

王となる主人公の立場と時代を考えると、正妻をフローラかデボラ、側室にビアンカを迎えるのが、正しい選択のような気がします。

というのも、主人公は勇者の血を引いていないため、天空の武具を装備できません。

なので、勇者の血を引く子どもの誕生は必須事項です。

勇者の血筋であるビアンカ、フローラ、デボアの誰かと結ばれて、子どもが生まれなければ、世界は滅びてしまうため、人類を救うためにも、ここは一夫多妻制を採用し、子供ができる確率を高める事が重要だと思います。

つまり、妻は選択しないという結論が現実的です。

ちいさなメダルという仮想通貨の価値

ドラクエの世界には、G(ゴールド)が通貨として存在していますが、その裏で「小さなメダル」という通貨のようなものが存在しています。

メダル王が自身の財力を担保にして、この小さなメダルの収集を行っていますが、固定されたレートで高価なアイテムや武具などと交換できる事で、ある種の兌換紙幣的な面を持ちつつあります。

メダル王によって兌換される物品の売価から、小さなメダルの1枚の価値を見てみます。

戦士のパジャマ1,900G950,000円
不思議なボレロ3,750G1,875,000円
奇跡のつるぎ4,750G2,375,000円
神秘のよろい10,000G5,000,000円
はやぶさの剣17,500G8,750,000円
メタルキングの盾12,500G6,250,000円
合計50,400G25,200,000円

最大で50枚まで集めると、合計50,400G=25,200,000円までの物品と兌換してもらえます。

つまり、小さなメダルの価値は、1枚=504,000円となります。

もはやドラクエ界の仮想通貨です。これは、他人の家の壺を無断で破壊してでも、必死に集めるべき恐ろしい代物です。

 

まとめ

ドラクエ5の世界も、現代の物価で眺めてみると、とても奥深さを感じます。

妻の選択イベントについては、アンケートを取ると、情を取ってビアンカを選ぶ人がダントツという結果ですが、もし婚前に、現代の結納の目録のように、「お金」「水のはごろも」「神秘のよろい」「宿泊券」などが提示されていれば、違った順位になっているかもしれません。

情を取るべきか、利を取るべきか、悩み過ぎて、そのまま放置して、別の旅に出てしまいそうです。

それよりも、パパスも主人公も、国を放置しすぎです。

通常は、自由が利く王子や姫が、冒険の旅に出て、父の王が国を守るパターンが多いのですが、ドラクエ5では、妻のために国を捨てて、親子二代に渡って王自らが冒険の旅に出ます。

しかも、自分の家族と離れたくないので、子連れで冒険を繰り返します。

妻や家族への愛を感じますが、はたして国民への愛はどうなっているのでしょうか。

そう考えてみると、実は、パパスの弟のオジロンが一番愛情深い人物なのかもしれません。

パパスや主人公が不在の時は代わりに王位につき、戻ってくると民のためには自分は王にふさわしくないと譲位します。

ドラクエ5は、愛とは何かを学べるゲームです。