中小企業はクラウドファンディングをするべきか?

クラウドファンディングと補助金について

最近、中小企業・小規模企業向けの補助金である「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」「小規模事業者持続化補助金事業」において、クラウドファンディング加点が加点要件になりました。

<代表的なクラウドファンディング事業者>

Ready for』(https://readyfor.jp/)
『Makuake』(https://www.makuake.com/)
CAMP FIRE』(https://camp-fire.jp/) 

 

クラウドファンディングを行い一定の成果を出した中小企業には、補助金の採択時に加点をして、優遇をするという内容なのですが、その条件は下記となります。

  • 設定した目標金額以上の支援金額を期間内に達成
  • 100万円以上の支援金額を期間内に達成

クラウドファンディングで一定の成果を出せば、補助金の採択時に有利になるし、資金も集められて一石二鳥であるという、何ともお得そうな要件なのですが、クラウドファンディングはそんなに簡単なものではないようです。

クラウドファンディングの成功率は約30%

クラウドファンディングを行うには、まずサービスに登録し、プロジェクトの企画、返礼品などの企画と作成、プロジェクトの概要や詳細な説明などの文章作成、そこで使用する写真などの撮影などの事前準備が必要となります。

また、プロジェクトの公開に備えて、自社WEBサイトやブログ、SNSを使ったプロモーションを行って、ファンや投資者を募る必要があります。

この事前準備を計画的に行っていないと、達成できるのは難しいようです。現在のクラウドファンディングの成功率は約30%と言われています。正直なところ低い数値だと思います。

クラウドファンディングで、資金を集めるのは、かなりハードルが高いものであり、中小企業の場合、必要な手間と時間を考えると、補助金のためだけにクラウドファンディングをするのは、厳しいチャレンジだと思います。

また、達成した場合は、サービス提供事業者に手数料を支払う必要があります。

<購入型クラウドファンディングの手数料>
事業者名手数料
CAMPFIRE(キャンプファイヤー)17%
Makuake(マクアケ)20%
Readyfor(レディーフォー)17%

 

ものづくり補助金であれば、先端設備等導入計画か、経営力向上計画のどちらかで認定を貰う方が、まだ簡単に感じます。

クラウドファンディングはプロモーションツール

中小企業にとっては、返礼品の企画・作成やクラウドファンディング用のWEBページの作成やブログやSNSでの告知等、その準備の手間や時間を考えると、資金集めや補助金対策として、クラウドファンディングを行うのは、ハードルが高くメリットが少ないのでおススメしません。

しかし、クラウドファンディングをプロモーションのツールとして考えると、デメリットばかりではないと思います。

新商品のPRやブランディングの一環として、クラウドファンディングを使ったプロモーションと考えると、クラウドファンディング用のWEBページの作成やブログやSNSでの告知等は、インターネット上での資産の一つとなります。

また、クラウドファンディングに成功して、コアなイノベーター層を取り込んで新製品のファン化する事ができれば、中小企業にとっては大きな資産になります。

失敗したとしても、一つのリサーチマーケティングと考えると、新製品を投下しようとしていた市場のニーズや動向を知る機会にもなります。新製品の改良や、開発・生産の停止などの判断材料にもできます。

リサーチ会社に全国的なリサーチマーケティングを行うよりは割安で行える点もメリットかと思います。

まとめ

中小企業は、クラウドファンディングを資金集めや補助金対策として使うのではなく、自社製品のマーケティングやプロモーションのツールとして使うのが良いでしょう。

ちなみに、クラウドファンディングの種類として、All-or-Nothing方式(目標達成型)とAll-In方式(実行確約型/ダイレクトチャレンジ)の二つがあります。

All-or-Nothing方式の場合は、設定した達成額に到達しなければ、未達成となり支援者にすべて返金されて、手数料も発生しません。

逆に、All-In方式だと、どれだけ少なくても、支援された場合は、支援された分だけ、手数料が発生して、返礼品などの対応をしなくてはなりません。

なので、中小企業のテストマーケティングとして考えると、All-or-Nothing方式をおススメします。